第1章 ピエロ

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 いっぽう、この姉の反応に倫太郎は呆れていた。  「わあ、素敵!」などと、目を輝かせてワンピースを見つめている。  (こんなトマトみたいなの、どこがいいんだろう?)  なんて、未来の服飾デザイナーの気持ちなどわからなかった。  倫太郎の興味は砂時計にある。  先程の幻覚が何らかの理由で砂時計と繋がっているように思えてしかたなかった。  空想と現実を一緒にしているのではない。実は今までに何度か白昼夢で未来を予測している。  今度のデパートで起きた白昼夢も同じだった。  (きっとナニかある)と、倫太郎は考えた。
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