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「ルイさん、痩せマッチョだからジムで鍛えてたのかと思ってた」
「はは。 痩せマッチョ? オレが?
ジムなんて行くヒマないよ。
オフの日は身体のメンテで整体にフェイシャルのセラピーして終わり」
「整体もしているの?」
「うん。 体質改善。
寝つきが良くなるから定期的に欠かさず行ってる」
ドキ。
週刊誌で見た。
ルイがオフで通ってる整体のボディメイク兼 セラピーサロンに
恋人がいるって。
でも、どうやら それが不倫らしいという事。
ヨシが わざわざ私に知らせたいがためにコンビニでその週刊誌を買ってきた。
不倫妻が ルイのマンションを出入りしているのをパパラッチされていた。
ーーーーショックだった。
それが発覚した頃から
ルイは私にキスを仕掛けなくなり、
私に好意があるような態度や素振りを
取らなくなった。
。。。こうやって
手は繋いだりはするけど。
でも結局
私もヨシとは離れられないから。
ルイにもきっと離れられない恋人の一人や二人はいるんだろうし。
ルイが私を好きになるなんて
あり得ないんだから。
一時的な感情に流されなくて
良かった。
私はただの専属ヘアスタイリストでいればいい。
綺麗で澄んだ瞳と
色んな表情で人を魅了するルイ。
それを側で見ているだけで
私は幸せなんだ。
大好きな気持ちだけは、
いつまでたっても変わらない。
ルイの魅力を最大に発揮できる
ヘアスタイリストでいよう。
「深雪は彼氏とうまくいってるの?」
ルイが、急に話題を変えてそんな事を聞くから
胸がドキドキしてきて煩くなった。
『深雪と、心も身体も深く繋がりたい』
と言ったルイを思い出して。
「うん、今まで通り」
「ごめんね、ムリに別れさせようとするような事言って」
私は頭を横にふった。
「一方的に迫りすぎたなーと思って反省したんだ。
恋愛って強要するもんじゃないのにさ」
「うん。
でも、嬉しい気持ちもあった。
まさか、ルイさんが私を?って」
私は ふふっと笑った。
あの時、尋常じゃないぐらい動揺してテンパった自分を思い出して
笑ってしまった。
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