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私があまりにも長い間ルイを見つめていたから
ルイが耳に手をやり片方のイヤフォンを外した。
「一緒に観たいの?」
優しい瞳が私を見る。
私は頭を横に振って瞼を閉じた。
車内の暖房が利いてきて
眠気を誘っていた。
そして眠りについた。
潜在意識って、
自分の無意識の中にあるらしく
第六感や
自分の未知な部分を司っているって聞いた事がある。
私が自己中になってしまうほど、
ルイに惹かれてしまっているのは
何か理由があるのかもしれない。
無意識の中に潜む自分。
それは何なんだろう?
。。。。。
赤い糸伝説。
産まれた土地の産土の神様が
コウノトリを使って自分の前世の劫や善の業に合わせた夫婦の元へ運ばれる。
そして、運命の人と縁を結ぶのを取り計らうのも産土の神様。
前世恋人同士だったり
親戚だったり
縁の濃い人と結ばれるように
用意されているらしい。
いつ、どんな時に手に取って読んだ本なのか
忘れてしまったけど
深い眠りにつく意識の中で
それを思い出していた。
江戸時代、商家の娘に生まれてきた私は
商家の女系相続が風潮だった当時
商家同士で決められた婿を養子に取ることが常識だった。
愛する人がいたのに。。。
女中の息子に恋をした。
一緒に育って、いつも一緒に遊んでいた。
ルイ。
『来世こそは結ばれようね。
血の繋がらない来世で生まれ変わって。
心も身体も、深く愛し合おう』
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