第54話

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　見物はなんといっても、男女混成集団の創作ダンスと、生徒たち手づくりの神輿だった。神輿は製作期間３ヵ月を要する本格的なもので、20人がかりで担(かつ)がなければならないほど巨大だった。６台のつくられたばかりの神輿は、東島祭の夜、校庭の中央に積みあげられ、灯油をかけられ燃やされてしまう。壮大なファイアストームの周囲では、東島進駐官養成高校の行進曲にあわせて、生徒たちが輪になって踊るのだ。

　東島祭初体験の１年生も、先輩たちから伝染した熱狂に駆(か)られていた。クラスのなかからダンス班、神輿班、東島祭運営委員を送りださなければならない。タツオはなんとか役職を逃れたが、クニとジョージは細身の体型と長髪を買われて、上級生にダンス班に指名されてしまった。