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教室の中にいるのは確かに瀬奈なんだが、彼女は静かに机と頬を合わせて目を瞑っている。
よく耳を澄ますと聞こえてくる静かな寝息。
彼女の寝顔はとても穏やかで、起こすのを拒んでしまう。
此れが本当の素顔なんだな。
普段からこの顔をしてればいいのに・・・
ふっ、と口元が緩む。
その時、衣擦れの音と共に瀬奈が微かに動いた。
~瀬奈 side~
・・・との気配がする。
意識が夢から現実に戻ってきたと同時にそう感じた。
でもその気配はとても薄くて、もしかしたら気のせいなのかもしれない。
パチッ、と目を開ければ、目の前に座ってたのは月影だった事が判明。
うわっ。最悪・・・
一番寝顔を見られたくない人に寝顔を見られてしまった。
「今、私の寝顔見たでしょ。」
平静を取り繕って思い切って尋ねる。
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