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だけど目の前の男は口角を上げて否定する。
「俺は何も見てねぇよ。」
嘘つき・・・
この場にいて見てないって嘘が良くつけられるわね。
恨みがましく月影を睨んだ時、眼鏡を取られてしまった。
「ちょっと!?何をしてるのっ。今すぐ其れを返しなさい!!」
私の言葉を無視して眼鏡を上にあげてレンズを見ている。
「へぇ、伊達眼鏡か。」
ぼそりと言った彼の言葉にギクリとなる。
「そうよ。其れがどうしたって言うの?」
眼鏡を取ろうとするが、ひらりと避けられてしまう。
どうして私の邪魔をしようとするの。
其れが無ければ私はこの教室から出られないわ。
本当はこんなの嫌だ。
でも、返して貰う為にはこうする他無いのかもしれない。
「・・・私に何をして貰いたいの?」
「生徒会室を見つけたから入れて欲しい、かな。」
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