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「私がそんな事する訳ないでしょっ。第一、眼鏡を取られたままで教室を出たりしたら・・・」
きっと生徒達は大騒ぎするだろう。
学校で眼鏡外さないから、レアものとか言って群がるのが目に見えてる。
「だったら尚更、顔隠して大人しくしてろよ。」
「えっ?」
月影は何か言っていたが、その声は余りよく聞こえなかった。
それどころか月影は「何でもない」とはぐらかす様に言って私の顔を隠すように胸板に押し付けた。
近いっ。幾らなんでも此れは近いからっ!!
流石の私だってこんな事されたら動揺するからっ。
心臓はバクバクと早く脈打っている。
でもそんな中、何故か彼のYシャツの匂いが鼻を掠めた。
あ、れ。この匂いって確か・・・
微かに香る懐かしい匂い。
でもそんな筈。だってあの人は・・・
私の思考は一瞬止まった。
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