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「湯川さん、そろそろ切り上げて下さい。
馬場園さんも忙しいでしょうから。
無駄話は今度、2人で飲みに行ったときにでもどうぞ。」
「ぶっ!てめぇが帰りたいだけだろーが。」
はい、と夏目はきっぱりと答えた。
「藤谷と遊んでいる暇は、俺には、ありませんから。
どうしても、というなら、どうぞ、2人でお好きなだけ。」
そう言い、歩の方を見るだけで、歩を目に写さず
夏目は歩に尋ねる。
「タクシー、呼びますか?」
「え・・・、あ・・・。いえ、自分で。」
そうですか、と答え、レシートを掴み、
本当にさっさと帰っていこうとする。
「では、お疲れ様でした。」
しかたねーな、と湯川が立ち上がると、
夏目はようやく立ち止まり、挨拶を済ませ、別れた。
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