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  タクシーを拾うため、歩は藤谷と二人で歩き出す。 のぼせたような変な気分で、フワフワしながら 歩は歩いていた。 突然、藤谷が裏路地へ歩を引き摺りこむ。 我に返った歩は藤谷を突き飛ばし、怒鳴る。 「何するんですか!」 睨み付けた先にかち合った藤谷の目。 その獰猛さに恐怖を感じ、自然と身が竦む。 セクハラです、といつもなら躊躇いなく、怒鳴る。 だが、声も上げられないほど、歩は怯えていた。 そして、藤谷の色気に酔わされていた。
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