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弐
歩は藤谷と二人、客先へ向かっていた。
今回の顧客は藤谷の留学時代の友人。
彼は貿易会社に勤めていて、ある展示を企画している。
それは販売目的では決して日本に入ってこないような
海外の、その国独特な文化を表す様な物を
展示し、販売する、という・・・。
なんとも、利になりそうにない、おかしな企画だ。
でも、目の付け所の面白さもあり、
期間限定で行った展示はある程度の人気を得て
小さなスペースだが、横浜の百貨店に店を構えるらしい。
その広告に藤谷が指名された。
ある程度の規模になるし、藤谷は歩にサポートを命じた。
仕事は仕事。私情は挟まず、歩は従った。
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