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「見せしめにする気か」
「俺の見立てでは後5人程間者が潜んでる」
「馬鹿だな」
「何?」
「恐怖で組をまとめても長続きしないぞ」
「それぐらい分かってるさだがなぁ烏合の衆を
まとめるにはこれしかないんだよ」
「自分の夢の為に自分を殺すのはどうかと思うぜ」
「!!!」
「まぁいいさっさと食うぞあ、俺の分無い」
「俺はいいから食え」
「...ならこれやる」
そういい結希が取り出した物は小さな弁当箱だ
「これは...?」
「俺の非常食」
開けるとそこには今で言う玉子焼きとお浸し、猪肉炒め、梅干し、白飯が入っていた
「こっち食えよ...」
「今日は魚の気分なんだよ、良いから食ってみろ」
・・・(食ってみた)
「旨い...」
「だろ、ここの飯よりは食えるだろ」
「やっぱり不味いか」
「食えんことはない」
「そらよかった」
「御馳走様~」
「はや!!もう食ったのか」
「ああ、戦場でゆっくり飯なんて食べてられない」
「まぁそれはそうだが」
「俺もう寝るは、疲れた」
そう言って土方が押し入れに隠していた刀をいつの間にか
探し出し、その刀に寄りかかり座ったような形で寝てしまった
「おい、寝るな」
「Zzz...」
「早い、新八並みに早いな」
深夜ー
新選組屯所の屋根に1つの影があった
今日の月は三日月だ
「三日月に、写る人影、寂しげに」
『寂しい...か、』
「あいつと少し話しただけで師匠を思い出すなんて
俺もまだまだだな」
屋根の真下の縁側には結希の1人語を聞く土方の姿があった
「...三日月に、写る人影、苦しげに の間違いだろ」
何故か土方には寂しいと言うより苦しげに見えた
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