第1章

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私はたぶん彼は私の半身だと思う。 理由はいたって簡単。 お互いを理解し合えてるから。 必要としあってるから。 でも、そんな関係が崩れる日は、以外と早く訪れた。 彼を理解できるのは私だけ。 でも、高校を中退してから友達が増えた。 友達というか、周りにいる人が増えた。 私が入る隙のないほど。 私は彼と一緒にいることが苦痛になって、そばにいることをやめた。 でも、彼はそんな私にはお構いなしとばかりに、いつも通り私の部屋にやってくる。 いつもと違うと思ったのは、私が高校三年の秋だった。 いつものように勝手に部屋に入ってくる彼。 私は、当たり前のように部屋に入ってくる彼にイラついて、無視を決め込んでいた。 私の様子がおかしいと思った彼は、 「ねぇ。なに考えてるの?」 と、ベットに横になって本を読んでいた私を力づくで上を向かせた。 彼の腕がまるで檻のように邪魔をして、私は動かなくなってしまった。 「っ…!何?」 突然のことに私の口からはこんな言葉しかでてこなかった。 強引とも思える彼の行動は、私の不可解な行動のせいだったらしく、こんなに動揺し、苛立った彼を見るのは久しぶりだった。
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