1人が本棚に入れています
本棚に追加
私はたぶん彼は私の半身だと思う。
理由はいたって簡単。
お互いを理解し合えてるから。
必要としあってるから。
でも、そんな関係が崩れる日は、以外と早く訪れた。
彼を理解できるのは私だけ。
でも、高校を中退してから友達が増えた。
友達というか、周りにいる人が増えた。
私が入る隙のないほど。
私は彼と一緒にいることが苦痛になって、そばにいることをやめた。
でも、彼はそんな私にはお構いなしとばかりに、いつも通り私の部屋にやってくる。
いつもと違うと思ったのは、私が高校三年の秋だった。
いつものように勝手に部屋に入ってくる彼。
私は、当たり前のように部屋に入ってくる彼にイラついて、無視を決め込んでいた。
私の様子がおかしいと思った彼は、
「ねぇ。なに考えてるの?」
と、ベットに横になって本を読んでいた私を力づくで上を向かせた。
彼の腕がまるで檻のように邪魔をして、私は動かなくなってしまった。
「っ…!何?」
突然のことに私の口からはこんな言葉しかでてこなかった。
強引とも思える彼の行動は、私の不可解な行動のせいだったらしく、こんなに動揺し、苛立った彼を見るのは久しぶりだった。
最初のコメントを投稿しよう!