曇りのち晴れ

1/3
前へ
/4ページ
次へ

曇りのち晴れ

今日も僕は7:30ちょうどに起床した。 そしていつものように朝食を食べ、歯磨きをする。 寝癖のついた、男子高校生にしては少し長めの髪を整え、一通り通学の準備を終えると、家を出る時間になるまで残った時間をただただ持て余す。 特に何をするわけでもなく、リビングにある椅子に座り髪をいじってみたり、新聞のテレビ欄を見てみたり、今日の授業は何だったかを考えてみたりする。 実質、時間としてはそれほど長くないのだが、僕はその時間をとても長く感じた。 それでも当たり前に家を出る時間になったので、準備しておいた学生カバンを背負い玄関に向かった。 靴を履くために腰を下ろして、そこでリビングから何か音が聞こえることに気がついた。 少し耳を澄ますと、すぐにそれがテレビの音であると気づく。 僕は小さく溜息をつき、重い腰を持ち上げ再びリビングへと戻った。 広告の下に身を潜めていたリモコンを手に取り、テレビに目を向けるとちょうどアナウンサーがいつもと変わらない笑顔で今日の天気を伝えていた。 既に曇りがかっている空を窓越しに見て、雨が降らないか少し気になった僕はその天気予報を見届けてからテレビを消し、傘を持たずに家をあとにした。 外は気温としてはそこまで寒いと感じなかったが、風が冷たかった。 家から学校までは徒歩で15分。 そこまで遠くはない。 少し身震いし、制服のポッケに両手を突っ込んだ僕は、小さく溜息をついて学校に向かった。 ちなみに今日の天気予報は、曇りのち晴れ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加