#1 ダブルデート

1/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ

#1 ダブルデート

ホント……夢じゃないんだ…… 跳ね上がった髪 寝ぼけまなこの自分を鏡で見ながら 私は昨日の事を…… 蒼い月夜の出来事を思い出していた…… 誰かを想う事…… 想われる事って…… こんなに素敵な……事なんだ…… 唇をなぞると、触れたユータの…… 唇の柔からさが……リアルに溢れて来る…… 脳裏にユータの笑顔が蘇ると 私は急に恥ずかしくなって、まくらに顔を埋めて悶えた……! ヒャ――――――――!! ……ど、どうしよう……私……! 冷静に考えてみると……大変な事になった…… アサキちゃんやトールには……なんて言おう…… ヒサシなんか絶対……冷やかしてくるんだろうな…… ユータとは……どんな顔して……会えばいいの……? 考えれば考えるほど私は混乱して 気が付くと時計は、遅刻ギリギリの時間を指している。 ま、マズいっ……! 慌てふためきながら私は制服に着替え 朝ごはんも食べずにダッシュで家を出た。 学校に着くと、そんな私の不安とは裏腹に 昨日の文化祭の片付けで、教室ではみんな慌ただしくて アサキちゃんなんか 「ちょっと! あんた!  先にそれ片付けたら、こっちが片付かないでしょ!?  優先順位よ、優先順位! 順番ちゃんと考えてよね!!」 まるで大阪のおばちゃん張りの剣幕で クラスの男子をも仕切っている……w そしてさらに可笑しいのは、その姿を廊下から 羨望の眼差しで見つめる他のクラスの女子たち……ww 大阪のおばちゃんキャラに、黄色い歓声って……www まあそれでも、そこはアサキちゃん。 なにやっていても、サマになるんだよねぇ…… 昨日のライブのお陰で マーヴェラスの存在は、一気に学校中へと広まり アサキちゃんたちは一躍、刻の人としてその人気は急上昇…… いまや学年中……いや、学校中で アサキちゃんたちの名前を知らない人は いないほどになってしまった……! やっぱりアサキちゃんは……すごい!
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!