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「……いち」
うんざりした顔で、ふぅちゃんが、オレの名前を呼んだ。
「これは?」
「えと…みやげ?」
目の前には、初心者用のグッズと本。
「ちゃんと勉強します。大事にします。だから、させて?」
そう云って、頭を下げたら。
ふぅちゃんは、溜め息ついて立ち上がり、本棚から本を抜いてオレの頭の上に落とした。
「勉強は、当然。お前のことだし、するなら、オレが下かなとは思ってたけどな…」
ばさっと落ちてきた薄い本は、今日オレが買ってきたのと、同じ本で。
「えっ…えええええ?!ふぅちゃん?!」
おろおろと、本とふぅちゃんの顔を見比べれば。
ふぅちゃんは“くっそう”って、顔してた。
「でも、今日はナシ、だな」
「何でっ?!」
「その気になんねぇもん」
「お預け?!また、お預けなの?!」
そう聞くオレに、にやりとふぅちゃんは笑ってこう答えた。
「ちゃんと勉強して、俺をその気にさせてみな」
…………。
道のりは、長そうだ。
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