第一章 神宮透子のラプソディ

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「ごめん! 本当にごめん! 俺、自分でも何が何だかわからなかったんだけど、それでも俺は君を苦しめて────」 「あなたが気に病むような事ではないわ。」 透子は俺の言葉を遮って言った。 その言葉には嘘偽りは感じられず、また俺への気遣いもなかった。 透子は本当にそう思っていた。 「あなたは当然のことをしたのよ。言ったでしょう? 私はあなたに全てを捧げているの。 私はあなたのものなのだから、私に対してあなたが何をしようとそれは全て正当な行為よ。」 「でも、それじゃあ……」 さっきのような蹂躙も、また正しいということになってしまう。 相手の尊厳を無視した一方的な欲求の発散すらも。 「これも言ったでしょ? あなたには人の身を手に入れる悦びを知ってもらうって。これはそういうことよ。 本来自分のものではない他人の肉体を手に入れるということは、人間の根源的な支配欲を満たす。それは心も同じこと。 あなたは私の肉体を犯し、心を屈服させることで言い知れぬ満足感に見舞われたんじゃない?」 「────っ!!」 透子の言うことはもっともだった。 俺は彼女の心を、身体を組み倒し、屈服させ、蹂躙し、支配することで、今まで感じたことのない悦びを覚えていた。 しかし、それは──── 「それこそが人の身を得る悦び。誰しもが必ず持つ支配欲よ。 私はあなたのもの。私はあなたに支配されたい。私はあなたに犯されたい。私はあなたに蹂躙されたい。 私は、私の全てをあなたに奪われなす術もなくあなたに屈服し、あなたの好きに、肉の塊のように扱われたい。」 言葉を失った。 俺は今まで彼女の言葉の意味を全く分かってはいなかった。 透子が今まで言っていたことはこういうことだったんだ。 これは普通じゃない。異常なことだ。 理解し難い。 なのに何故だろう。 心のどこかで、透子のその要求、想いが嬉しく思えてしまっている気がした。
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