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「……!」
不意打ちに思わず言葉を失う。
別にそれが理由な訳ではないが、だがしかし好きな子がいることは事実な訳で。
それを見抜いたような発言に、俺は返答に詰まってしまった。
それを図星ととったのか、女の子はからかうようにニヤリとした。
「男の子ね。
────まぁいいわ。じゃあお礼は別の形にしましょう。」
「そうしてくれると助かるよ。」
ため息を着きながらベットから降りて俺は言った。
「てかそれよりも、お礼なんかよりも君が何者で何があったのかを教えてくれ。」
そっちの方が大分重要だ。
「私の名前は神宮 透子(かんのみや とうこ)。何があったのかは……説明すると長くなるわね。」
女の子────神宮 透子は意外にもスラスラと答えた。
あまりにも異常な状況だったから説明に渋ると思ったのに。
「俺は当麻歩(とうま あゆむ)だ。まぁ、話せる限りでいいから話してくれ。」
「ええ。わかったわ歩くん。」
「────!」
神宮透子はニッコリと笑うとさも当然に俺の名を呼ぶ。
狼狽える俺を見て楽しそうに微笑むと、神宮透子は話し始めた。
「本来他人に言うことではないけれど、命の恩人だから話すわ。」
曰くこういうことらしい。
神宮透子は魔女である。
ただしそれは生まれつきのものではなく、『魔女ウィルス』なるものに感染した者のことを指すらしい。
『魔女ウィルス』の感染者、すなわち魔女は自らの生命力を魔力に変換し、文字通り魔を操る者となる。
つまり魔法が使えるのだと。
しかし魔女というものは存在してはいけないものとされており、目下魔女狩りに狙われているという。
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