旅立ち

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しかし、 村長も再来年には四十歳になる。 タカもいつまでも 妻をめとらないでいることが 許されるはずもない。 縁談のきている相手と結婚してくれ と言ったのはナミの方からだった。 タカも やがては村長となる自分の縁談のことは考えていたらしく 案外あっさりと承知した。 そのかわり、 結婚すると同時に ナミを第二夫人にすると あきれたことを言う。 今でも 男たちが狩りをすれば 村全体で肉を分けるし、 木の実なら杖をつきながら 自分で取りに行ける。 病気で起き上がれない時には 姿を見ていないが大丈夫かと 家の外から誰かが声をかけてくれる。 タカを忘れることはできなくても 一人で生きていける。
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