第1章

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「そいつ、オレに似てる?」 「似てたら、焼く?」 「ばーか」  似てるわけない。  アイツの声はもっと低く胸に響くし、  アイツの笑顔はもっと俺の身体を熱く揺さぶる。  あの日の俺は、弘の後ろ姿を見つめている。  愛していたんだ。たぶん、すごく、ど下手だったけど。  これからも俺はアイツを愛し続けるだろう。  アイツの姿が見えなくなるまで、ずっと……  俺は新しいクローゼットの奥へ、そのアルバムを隠した。
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