俺たちは幼馴染み

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「大輝くん、何があったの?」 玄関の前で冬也くんが心配そうに言った。まずは玄関で靴を脱いで、一緒に二階に上がった。 「何もなかったよ。俺とタケちゃんはただの幼馴染みなんだなあって思っただけ。それを自覚したんだよ」 「ただの……? ……ちょっと話が聞きたいから大輝くんの部屋に行っていい?」 「うん、どうぞ。そんなに綺麗にしてないけど」 「綺麗だよ、大輝くんの部屋。そうじゃなくても全然平気だから」 部屋へ招くと、殆ど家具はないから、イス代わりにベッドへ腰掛けさせた。俺はスーツを脱いで部屋着に着替えながら冬也くんの話に耳を傾けた。 「猛くんと喧嘩でもしたの?」 「まあ……そんな所かな」 「聞いてもいい?」 「んー……俺もあんまり分かんないだ」 考えてみたが、喧嘩の内容がいまいち掴めない。 初めは保健室で俺が体調が悪いクセに認めようとしなかったことにタケちゃんが怒った。でも、本当に大したことない。精神的に不安定で夜中に寝れなくて寝不足なだけで……、その精神的なものをどうにか直せばきっと体調も良くなる……筈! 後は、保健室を出て廊下で口論をしたくらい……、タケちゃんに嫌われたかも……。
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