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○月○日
「今日はいい天気だなー、田吾作朗」
「わんわん」
今日は天気がいいので田吾作朗を連れて、大きな公園で散歩をしていた。
「ポカポカ陽気で気持ちいいなぁ」
田吾作朗と一緒に太陽の光を満喫していると
「わんっ!わん!」
突然、田吾作朗が嬉しそうに尻尾を振りながら俺の元から離れていく。
「どうしたんだよ」
俺はあわてて田吾作朗についていく。
「待てよ、田吾作朗~!
って、あっ!」
田吾作朗はある女の前で
尻尾を振って止まっていた。
「フジコちゃん!」
偶然、同じように公園に来ていたようだ。
「散歩?いい心がけね」
言いながら、フジコちゃんは田吾作朗の頭をなでていた。
「あ、そうだ」
フジコちゃんはそう言ったかと思うと、田吾作朗の頭から手を離して、大きなカバンの中をガサガサしはじめた。
「どうしたの?」
「これ、食べようと思ってさっき買ってきたんだけど、田吾作朗にあげることにするわ。
田吾作、これ調理して餌にしてあげて」
そう言ってフジコちゃんはカバンの中からビニール袋を取り出した。
「何これ?」
「肉。
じゃ、私は用事があるから行くわ」
そう言ってフジコちゃんは去って行った。
カバンから肉。アイツのカバンは四次元ポケットだろうか。
帰宅後――
「田吾作朗ー。今日の夕食はフジコちゃんからもらった肉にするかぁ」
「わんわん」
俺は肉を適当に焼いて田吾作朗にあげることにした。
ガサガサとフジコちゃんからもらった袋から紙につつまれた肉を取り出し、紙をはずす。
と、中からとんでもなく高そうな霜降りのステーキ肉が出てきた。
「これは……」
俺でも数年に一度しか食べたことないんじゃないかと思うほどの肉。
「よ、よーし、田吾作朗!
肉焼いて食うかー!!」
「わん!わんっ!」
――その日、俺が田吾作朗から半分ほど肉をもらったということは言うまでもない。
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