第壱話

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『どうした。何故に泣いておる。』 私がそう声をかけますと 『…っく。…ま、負けた…っ。痛いよぉ…。』 まだ十(とお)にもならぬ幼子は そう申しました。 押さえている手を見ると 少し赤くなっておりましたので 『その手、冷やした方がいいだろう。…来なさい。』 『…は、はい…っ。』 私は井戸の方へと連れて行きました。 .
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