第10章 小花の謎解き・続

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 私達に続き、東宮先輩も、にやっ、と笑って。 「ヒントの平仮名はそのままだから、い、で平仮名を考えると……」  私達は、せーの、と声を揃えて答えた。 「いろは歌」 「いろは歌!」 「いろは歌、だね」  にんまり、と三人して同じ答えに笑い合う。 立花君が言っていた通り、解読するのって、すごく、すごく楽しい。 「あいうえお、も、いろは歌も平仮名表記。ヒントが平仮名なのもヒント、ってわけだったかー……いやぁ、お見事。立花、すごいなー。ちょっと悔しいのもあるけど」  と、東宮先輩はストローを持って、半分くらいに溶けてしまった氷を口に入れて、がりがり、と噛み砕きだした。 悔しいのはそうかもしれない。 たくさんのミステリーや推理物の小説を読んできた東宮先輩だ。
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