第1章

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 取り敢えず手紙にミッションの内容を伝える。  「晴ちゃんには、芦屋道満君の情報収集に行って貰うわよ。何が好みとか何が嫌いとか細かくチェックして来て」  「私が?」手紙が目を丸くして驚いた。  「つかさぁ、学校同じなんだから自分で聞けばよくね? つかそゆのってストーカーじゃね?」  相変わらず外野がつかつか五月蝿いな。バイト中の私の頭の中だから文句言えないけど。  「クレープ宜しく」「ファンデも新しいのお願い」「服も流行りのが欲しい」  お土産頼んでどうするレシート。お土産=あんた達の友達増えるって事だけど。これ以上増えてもねぇ。  「あんた達も協力するの! でなきゃ皆纏めて掃除機の刑よ!」  溜まりかねて一括すると、  「マジ勘弁だし!はーい時給1000円ならやりまーす」  明細は掌を返した。  「ひいい、掃除機の刑でゴミ地獄に行くのだけは勘弁をば」  テスト用紙は泣きながら土下座して来た。この子達にも効果覿面だな。  「クレープがあ…」  「メイクが汚れる」  「服がゴミで汚れるの嫌ああ」  ふふふ。効いてきた効いて来た。後は、私知らないもんと言った感じで音楽をジャカスカ聴いてるCDのレシートだけだ。  「あんたも♪晴ちゃんに♪協力しないと♪掃除機吸って♪ゴミ地獄行きにしてやんよ♪どうなんだい♪」  耳元でラップ口調で言ってやると。  「晴ちゃん晴ちゃん♪そりゃないぜ♪オイラは♪五月蝿いやかましい♪掃除機ノイズは聞きたくねえ♪だからあんたに協力するよ♪あーい」  変にノリが良いのも私そっくりで恥ずかしいけど、その儘ラップで返事した。  「それじゃあ♪晴ちゃん♪スパイ大作戦♪総力あげて言ってみようか♪チェケロ!」
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