第三話  友情と愛情  2

7/21
前へ
/37ページ
次へ
「アキは頑張っていたんですね。 こんないい友達にも巡り合えて。 かれこれ、三年前でしょうか、アキから一度だけ連絡がありました。 今、思えば、会社を辞めた頃なんでしょうね 私は元気でやってるから、心配しないで。 それだけ言って、電話は切れてしまいました 約、十年ぶりにアキの声を聞きました」 この話を聞いて、三人は思った。 もしかしたら、アキはこの家に帰って来たかったのではないかと…。 母親に話を聞いて欲しかったのだと…。 「あの…、アキさんのお父さんは…」 京田は思わず聞いてしまった。 「主人は五年前に亡くなりました」 「それじゃ、アキさんはそのことは知らないんですか」 母親は静かにうなづいた。 何て、悲しいことなのだろう…。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加