第1章

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~いつもの朝~ 龍士視点 腕のなかのごそごそという動きで目が覚めた 「ん~、ん~、はぁはぁ」 必死なちじりの動き方に思わず笑いそうになり腹に力を入れて笑いをこらえた。 今の時間は午前6時。 ちじりとはいつも同じベットで寝ている。 ちじりは料理が得意で朝食、昼の弁当、夕食とすべて作ってくれる。 いつもちじりが先に起きて朝食の準備をするのだが、俺がちじりを強く抱きしめて寝ていたせいで布団から出られなかったらしい。 必死に手を外そうとしていたのでぎゅっと腕に力を込めてちじりが出られなようにした。 するとちじりはうでを外すことをあきらめたのか次は芋虫のような動きで布団にもぐっていった。 あきらめたのかと思ったら、つぎは俺の足元、つまりベットの下の方から出ようとしている。思わず「ぶふっ」と吹き出してしまった。 するとちじりは俺が起きていることに気付いたのか 恨めし気ににらんできた。が全然怖くない。 本人は無自覚のようだが、ちじりはすごくかわいい。 パッチリ二重に長いまつげ、透き通るような白い肌にちょこんと乗った鼻と赤い唇。これを言ったらおこるが身長は162㎝しかなく、とても華奢だ。おそらく生徒会の中で一番小柄だ。 正直言ってちじりを狙う敵は多い。隙あらば俺からちじりを奪おうとするタチの奴らと日々争っている。 そんなちじりがにらんで怖いわけがない。むしろかわいい。 桜「もう、起きてたんなら言ってくださいよ」 唇を尖らせるちじりの頭をなでながら名前を呼ぶ 北「ち~じり?」 桜「ん?」 北「おはよ」 今日もかわいいちじりにキスをする
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