第四章 「マネー!マネー!マネー!」

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掌がそこからするりと滑り落ち、尻を鷲掴みにされた。 予想もしなかったことをされて、俺はおかしな声を上げてしまう。 コッチって、アッチのことか?何で、どうしてバレた? ーーーーじゃなくて! どうしてそんなことを言われなきゃいけないんだ、よりによってこんな時に。 「コトリアソビ、助けたいんか?」 「………………」 「……なら、俺が口添えしたってもええ。あんた、まあまあ金になると思うで」 「……何の、話……」 三島は床にタバコを押し付けながら、上目遣いに俺を見ている。 「えーぶい」 「……AV?」 「坪内の管轄にな、そがぁなビデオ作っとる会社がある。あんたやったら、まあまあ、ええモンになると思うで。それで御機嫌とってみるか?もしかしたら今日の100が、50になるかもしれん」 俺は三島の言葉を噛み砕き、必死に理解しようとした。 俺がAVに出て金を稼ぐことを約束して、坪内の機嫌を取れっていうことか? そんな馬鹿な話があるか。 「……ああ見えて坪内は両刀じゃ。お前が坪内のオモチャになって御機嫌取るゆう手もある」 「…………!ゲホッ!ゲホッ!」 ヒュッ、と息を吸い込んでしまい、俺はむせて何度も咳き込んだ。 三島の掌が、俺と倒れているおっさんの身体の間に滑り込み、俺の背中を摩る。 その時、三島の唇が俺の耳のそばにそっと近づいた。 「……あいつ絶倫じゃけぇな、死ぬほどイカされんで」 低い声で囁かれ、背筋が凍る。 まるで自分が処女にでもなったように、全身にざわざわと鳥肌が走っていくのが分かった。 すると、三島は暫く沈黙した後、弾かれたようにブハッと大きく噴き出し、腹を抱えて大笑いを始めた。 「だっはっはっは!!冗談や!冗談。あんたの顔、青うなったり赤うなったり、ひどいもんじゃ!面白うてかなわん……!」 「……は…………?」
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