第四章 「マネー!マネー!マネー!」

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「……夕飯……その、腹が、減ってると、思って……」 声が情けなく、段々小さくなってしまう。 これじゃ先生に何て言ってるか伝わらない。何で俺は一人でこんなにビビッているんだろう。 「……あの、ちゃんと、俺、出て行きますから。確かに、怖い思いすんのやだし、先生がその方がいいってんなら、明日にでも……その……」 どうして、先生は返事をしてくれないんだ。俺の声は聞こえている筈なのに。 「……でも、その、俺、ほんと……馬鹿だから、先生が何で怒ってんのか、分かんなくて……」 どうしてそれがこんなに不安なんだろう。目頭がきゅっと、きつく締め付けられるんだろう。 「……俺、自分なりに、頑張ったつもりで……」 本当は、想像してた。 「……先生を助けたくて……」 先生が、あの掌で、いつもみたいに俺の頭を撫でてくれるのを、待ってた。 優作さん、 怖かったでしょう、 よく頑張りましたね、 よく我慢しましたねって。 あの、とろんとした、とろけそうな笑顔で。 「……ただ、ほんと、それだけで……」 褒めてくれると思ってたのに。 なんでこんなことになっちまったんだろう。 「き、嫌いに」 俺はさっきから、 「……お、俺のこと、嫌いにならないでください…………」 こんなに必死になって、何を言ってるんだろう? 嫌いにならないでくださいって、何だよ、それは。 それは、つまり、俺が、まるで。 好かれたい、 みたいな、 そんな。 すると、いきなり目の前に大きな黒い影ができた。 閉ざされていた障子がゆっくりと開き、そこには先生が立っていた。 もうあの似合わないスーツは脱いでいて、いつものスタイルに戻っている。 俺は何だか居心地悪くて、視線を皿にのっているおにぎりに向けた。 すると俺は、いきなり先生に二の腕を掴まれた。 続けて、ぐい、と強い力で引き寄せられる。
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