*第一話*

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朝日に目を細めながら 朝の支度を始める。いつもより早く起きたため遅く来たメイド達が慌てて私の支度を手伝う。いつも通りの朝。しいて違う事があるというならば、今日は前日という所だろうか……。 そのせいか、少し心も憂鬱だ。前日だからゆっくりしたかったのに、昨日は白雪が目を覚まさず今日は道化師に呼び出され、忙しい前日になりそうだ。なんて考えながら支度を済ませ朝食を摂り、約束の時間まで屋敷の散策をする。 次にここへ来るのは15年後だから・・・。 「姫様、もう少しでお時間になります。出発の準備を」 ぼうっと庭のベンチに座り鳥や妖精を眺めて居た所にメイドがやってきた。 「あぁ、もうそんな時間か………。すぐに部屋に戻るわ」 少し惜しく感じながら、庭を後にしようとする。 「姫様……とうとう明日ですものね。私達はずっと姫様の帰りをお待ちしております。」 私の心情を察したのか、メイドはそう言ってニコリと笑った。当たり前でしょ、私のメイドなんだから。そんな事を思いながらそっけない態度をとり私は自分の部屋へと戻った。あんな事を言われると、迷いが出てしまう。生まれた時から決まっていた事。今更抗う事も出来 ないし、運命 を変える様な事も出来ないのだ。わかってはいる。わかってはいてても、やはり前日というのは物寂しい気持ちになるものだな・・・。 そんな干渉に浸っている時間もなく、部屋に戻るとすぐに出かける為のコートを着せられ化粧を直し、すぐさま部屋を出て馬車に乗った。私の白雪姫に会いに行く為に・・・。
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