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『大変だ大変だ!!』
天気の良い昼下がり、自然に囲まれた中に一際目立つ大きな薄い紫色のお城。
そこへ息を切らしながら走ってくる若い小さな男が1人。
その男の持ってきた話はすぐさま城中に駆け巡った。
「白雪姫が目を覚まさない!?」
メイドの口からでた衝撃的なニュースに驚き、私はつい大声を張り上げてしまった。
「え、えぇ、小人の話ですから間違い無いと思います。
なんでも運命の王子であるプリス王子が呪いを解く口づけをした様なのですが……目をお覚ましにならなかったようで。今ちょっとした騒ぎになっています」
「ちょっとした騒ぎって、問題じゃないわよ!し、白雪が目を覚まさないって・・・だって、今日時間的にも問題無いはずよね?」
白雪姫が目を覚まさない。
それはこの世界の摂理に反する事であり起こり得ないはずの事である。
こうなるには何かしらの因果があるはずなのだが、恐らくその原因すらもわからないからこの城にまで連絡が入ったのであろう。
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