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「一体、何の用かしら?」
「運命の日の当日にこの様な訪問誠に申し訳なく思います。しかし急ぎでお伝えしておかないといけないことがあった為伺わせてもらいました。」
恐らくは白雪の事であろう。白雪の事で私が行くことになったのも昨日の今日である。道化師の中では決まっていたことかもしれないが、表面として私か了承したのが昨日なのだから今日来ても仕方が無いといえば無いのである。深い眠りに落ちる前にコイツの顔を見ることになるのは若干不満ではあるが、多分重要な話であろう。
今日のは昨日とは別の道化師の様だが・・・。
「お時間無いところ、本当に申し訳ない。急ぎて伝えたい事と言うのは不思議の国に関わる事です。」
あぁ、白雪の話では無いのか。
「それで?」
「不思議の国に行くにあたっての注意事項を伝えていなかったと思いますして。」
道化師はそういうと、一息溜めてからから言った。
「絶対に、自分の本当の名を教えないで下さい。」
・・・名前?
「名前は貴方自身です。貴方の分身です。名前を相手に伝えてしまうと、もうこの世界には戻ってこれないでしょう。いや、名前はバレても戻ってこれな事もありません。正確にいい ましょう、名前を教えてしまったら生きて戻ってこれないでしょう。」
「生きて戻ってこれないって・・・どういうこと?」
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