*第三話*

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「はい、なんでしょう?」 (なにがなんでしょうだ。我ながら白々しい) 「糸を紡いだ事はあるかね?ここらじゃ14年前辺りに糸車の焼き払い条例が出ていたからね。全て焼き払われてしまった。これはそれの唯一の生き残りじゃよ」 「そうだったんですか。父から焼き払い条例の話は聞いていましたが、残っていたのですね。初めて目にしましたがこんなすごいものがあるなんて・・・」 (なんてわざとらしい言葉。別の事を言おうとしても口が勝手に動いてしまう。これも運命のひとつなのかね…) 「気に入ってもらえたかね。どうだい?1度やってみるのは」 「いいんですか?それじゃあ、少しだけ・・・」 (やりたくない。こんなもの) そんな私の気持ちとは裏腹に、身体は糸車に吸い寄せられる。 「ここをこうしてだね…ゆっくりでいいんだ、やってみなさい」 魔女の教えなんて何も頭に入ってない。どうせ身体が勝手に動くのだし、指をさすのだ。聞いていても仕方ないだろう。
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