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「ところでお嬢さん、時計は持ったかね?」
不意打ちのその言葉に、一瞬何を聞かれたのかわからなかった。
「あれを持っていなければ、戻ってくる事も行くこともできぬ。大丈夫じゃろうな?」
(時計・・・あの変な懐中時計の事?でも、魔女がなんで…)
「え、ぇぇ。しっかり持っていますよ?」
自分のポケットの外側から、時計があることを確認する。
「そうかい、野暮なことを聞いてしまったね。どれ、こちらにきて糸を紡いでみなさい」
(なんでそんな事……白雪の所の魔女と私の魔女は別者。あの時計の事を知っているのは、私とマレフィスとプリク、そして白雪のお母さんの嬢王様だけのはず。この魔女はそのどれにも当てはまらないはずだわ・・・なのに、なぜ?)
「どうしたのかね?早くこちらに来なさい」
魔女は待っている。ここで時間を使うわけにはいかないしそんな事考えていても仕方なかった。しかし、気になってしまったことを確かめないで眠るなんて、私に出来るわけがない。
怪しみながらも平然を装い魔女の方へ行った。そして魔女の横に立ち一言聞いてしまったのだ。
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