*第一話*

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カーテンの隙間から日差しが顔を出す。もう、朝だ。 白雪姫は結局目を覚まさなかったらしい。魔女が自ら出向き白雪姫の身体を調べたが特に問題は無かった様だ。そう、問題は無かった・・・呪いは解けていたのだ。 魔女が白雪姫への嫉妬や妬みを込めて作り出した真っ赤な毒りんご。それには運命の王子のキスでないと目覚めない呪いがかかっていた。呪いが解けて居ないのだとしたら、キスをした王子がなんらかの手違いで運命の王子では無かったということになる。つまりはありったけの男をかき集め順にキスをさせれば解決するのだ。・・・まぁ、大袈裟な話ではあるがそういう事になる。 しかし、魔女の話では呪いは解けていたらしい。少し深い眠りについて居るのだろうと思い様子をみたそうだが、どうにもそんな様子でもない。流石に不審に思い、他の魔女や妖精にも見せたが原因はわからずじまいのお手上げ状態らしい。 そんな事で1日たった今日の昼前、白雪姫が眠る7人の小人の家に道化師が呼ばれた。
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