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「あははっまさか!そう思うって事は、お前外部生か?」
「はい。水嶋先輩はエスカレーター組、ですよね」
生徒会に入っているのだから、確実にエスカレーター組だろう。
「朋、でいいよ。俺も律って呼ぶからよ。それに、んなに堅苦しく接しなくたって良いんだぜ?」
朋先輩は笑いながら冷蔵庫に向かい、ペットボトルのお茶を2本取り出し、1本を俺に投げ渡した。
戸惑いながらもキャッチする俺に、朋先輩がニヤリと笑みを向ける。
「それ、餞別。せっかく同室になったんだし、仲良くやろうぜ」
さっき特徴ないとか本当に生徒会?とか思いまくってすみません!!この先輩めっちゃ良い人!!
「ありがとうございます。と、朋先輩」
「気にすんな。俺はこれから生徒会メンバーと食堂でミーティングしてくっから、自由にしてな。あ、寮の夕食は夜6時から9時まで、風呂は4時から10時まで。消灯は11時だから、気をつけろよ。んじゃなー」
そう言いながら、朋先輩は部屋から出て行った。
もしかして、挨拶と寮のことを教える為だけに部屋に顔を出してくれたのだろうか…。
な、何て良い先輩なんだ!!
数分前の俺、爆発しろ!!
この面倒見の良さで生徒会員になれたに違いない。
ナチュラル過ぎる気の使い方は年季の入ったものを感じた。
先輩と一緒なんてやりずらそうでどうしようかと思っていたが、どうやら俺は当たりくじを引いたようだ。
俺は一番くじでA賞を引いた時並みの気分で、自室に戻った。
さて、これからどうするか。
自由に、と言われて居たが…。着替えて竜の所にでも行くかな。
俺は堅苦しい制服から私服に着替え、部屋を出た。
取り敢えずMY天使の妹に、今日の出来事をざっと書いてメールしておく。
基本的に俺から電話はしない。
可愛い妹の邪魔になったら困るからな。
さて、竜を探しに行きますか。
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