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「あー、そうそう、執行部では堅苦しいのなしでよっしくー」
寮の夕飯を食べながら、麻智先輩が言う。
今日のメニューはロールキャベツだ。俺はこいつのかんぴょうが微妙に嫌いだったりする。
「だなー。先輩とかつけんのは良いけど、基本みんな名前呼びだし。敬語とか使われると何かムズムズするからなしな!」
恒先輩も麻智先輩と同意見の様だ。俺は由華先輩をちらっと見た。するとびくっと怯えたような反応をされる。
…ちょっと傷ついた。
「えーと、由華先輩もそれで大丈夫ですか?」
「あ!も、もちろん!竜君も律君も、気軽に接して下さい」
由華先輩、あなたが気軽になってないです。
この先輩は控え目な上にちょっと人見知りっぽい。
でも麻智先輩とは遠慮なくじゃれあって居たよな…じゅるり。
心を開くのは1人だけって事ですか、わかります。
「じゃ、遠慮なくそうする。所で、さっきから竜の話題で出てくる、道場って何?」
許可が出たから、さっそくタメ口で話す俺。
ダチみたいで気分良いなー。
「ああ!俺が小さい頃から通ってる空手道場だ!綜其も恒も鳳も、あと黒も!みんなそこで知り合ったんだよ!」
へへっと笑いながら、竜が自慢気に話す。
空手道場か…。柔道なら寝技があったんだけど、空手ってあったっけ?
でも空手って型とか格好良いよなー。
「俺と由華は恒の幼馴染。で、恒に誘われて執行部に入ったんだよね」
ほほう。みんなそれぞれに繋がりがあるのか。
これは萌えるなと言うほうが無理な話しだな。
ふむふむ、と情報を整理していると、俺のスマホが着信を知らせた。
これは妹専用着信。ランカちゃんの星○飛行だ!
「失礼!!」
俺は先輩達に向かって叫び、3秒以内に着信に出る。
「あ、お兄ちゃん!メールありがとねー。今大丈夫だった?」
「気にするな。俺の時間はいつでもお前だけの為にある」
おれは思わずにやけながら話をする。
世界一、いや、宇宙一可愛いマイエンジェルからの電話は、例え授業中であってもとる!
常識がある理知的な妹は授業中にかけてくることはないが…。
「あのねー、今からご飯とお風呂なのー。その後に詳しく話し聞きたいから、また後で電話してもいい?」
「もちろんだよ。後でゆっくり話そう。愛してるよ」
「私も愛してるー。んじゃ後でねー」
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