第一問

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「あー、そうそう、執行部では堅苦しいのなしでよっしくー」 寮の夕飯を食べながら、麻智先輩が言う。 今日のメニューはロールキャベツだ。俺はこいつのかんぴょうが微妙に嫌いだったりする。 「だなー。先輩とかつけんのは良いけど、基本みんな名前呼びだし。敬語とか使われると何かムズムズするからなしな!」 恒先輩も麻智先輩と同意見の様だ。俺は由華先輩をちらっと見た。するとびくっと怯えたような反応をされる。 …ちょっと傷ついた。 「えーと、由華先輩もそれで大丈夫ですか?」 「あ!も、もちろん!竜君も律君も、気軽に接して下さい」 由華先輩、あなたが気軽になってないです。 この先輩は控え目な上にちょっと人見知りっぽい。 でも麻智先輩とは遠慮なくじゃれあって居たよな…じゅるり。 心を開くのは1人だけって事ですか、わかります。 「じゃ、遠慮なくそうする。所で、さっきから竜の話題で出てくる、道場って何?」 許可が出たから、さっそくタメ口で話す俺。 ダチみたいで気分良いなー。 「ああ!俺が小さい頃から通ってる空手道場だ!綜其も恒も鳳も、あと黒も!みんなそこで知り合ったんだよ!」 へへっと笑いながら、竜が自慢気に話す。 空手道場か…。柔道なら寝技があったんだけど、空手ってあったっけ? でも空手って型とか格好良いよなー。 「俺と由華は恒の幼馴染。で、恒に誘われて執行部に入ったんだよね」 ほほう。みんなそれぞれに繋がりがあるのか。 これは萌えるなと言うほうが無理な話しだな。 ふむふむ、と情報を整理していると、俺のスマホが着信を知らせた。 これは妹専用着信。ランカちゃんの星○飛行だ! 「失礼!!」 俺は先輩達に向かって叫び、3秒以内に着信に出る。 「あ、お兄ちゃん!メールありがとねー。今大丈夫だった?」 「気にするな。俺の時間はいつでもお前だけの為にある」 おれは思わずにやけながら話をする。 世界一、いや、宇宙一可愛いマイエンジェルからの電話は、例え授業中であってもとる! 常識がある理知的な妹は授業中にかけてくることはないが…。 「あのねー、今からご飯とお風呂なのー。その後に詳しく話し聞きたいから、また後で電話してもいい?」 「もちろんだよ。後でゆっくり話そう。愛してるよ」 「私も愛してるー。んじゃ後でねー」
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