第一問

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俺が電話を終えて満足していると、執行部の人達の視線が俺に集中していた。 「あ、すんません。了承を取る前に電話出て」 俺には着信が鳴った瞬間に妹の事しか頭になかった為、突然電話に出た俺は失礼な奴にみえただろう。 だが仕方が無い。 全ては可愛い妹への愛故だ。 「あー、や、別にかまへんでー。ただ、ものごっつぅ笑顔で愛してるとか言うてるから、びっくりしただけや」 鳳先輩が照れ臭そうな、バツが悪そうな顔で言った。 他のみんなも似たり寄ったりな表情をしている中で、麻智先輩だけがキラキラと目を輝かせていた。 「ねぇねぇ、今の電話誰から!?何か可愛い感じの女の子の声だったみたいだけど、彼女とか!?」 嬉々として詰め寄る麻智先輩。 そう、俺の妹は声も可愛いのだ。 「俺が世界で1番愛してやまない妹です」 俺がはっきりと答えた瞬間、空気が固まった。 「律ってシスコンだったのか…」 固まった表情のままボソリと呟く竜。 何だ、鋭貴だってブラコンだったじゃないか。 シスコンの何が悪い。 そんな中、いち早く立ち直った恒先輩が面白そうに笑った。 「べっつにいーじゃんか!つか、やっぱお前面白いな!執行部のメンツはこうでなくちゃなー」 食事を再開させながら恒先輩が言う。 その言葉に他のみんながはっとしていた。 「まぁ、ウチの学校の奴らはアクの強い連中ばっかりだからなー。執行部はそれ以上でちょうど良いかんな!」 綜其先輩が笑った。それに合わせる様に、みんなが笑顔になった。 何か、楽しそうな空気になったな、一気に。 それぞれ個性の強そうな先輩達だけど、こうやって笑あっていけるなら楽しい学校生活が送れそうだ。 しかもこの執行部、既にカップリングが見事に成立している。 萌えの極地に早くも到達したようだ。 これは妹に途轍もない素晴らしい萌えを与える事が出来るだろう。 俺は1人そう心の中で満足していた。 だがこの時俺はまだ知らなかったのだ。 この学校の、本当の萌えを。
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