12人が本棚に入れています
本棚に追加
分かり易すぎる反応をする竜。
君はそのままで居てくれ。
「前から綜其先輩が幼馴染みが来るって浮かれて騒いでたからね」
「それ、本当か?」
鋭貴の言葉に身を乗り出す竜。
これはもしかして…。
「マジだよ。ね、黒」
「ああ、綜其先輩の周りの連中は大体の奴らが知ってると思うぞ」
「そ、そっか…」
竜は2人の言葉に嬉しそうに照れた。
そして俺は確信した。
その綜其先輩とやらとは既に相思相愛ではないか!!
何たる幸福!!これを喜ばない腐男子がどこにいよう!!
「良かったな、竜」
「あ、おう…。あ、ありがとな」
デレ度MAXな竜君頂きましたー!
神よ、感謝します。
と、そんな平和な空気の中、チャイムの音が鳴り響いた。
1限目の終わりの合図のようだ。
それと同時に、先程去って行った担任が廊下から顔を出す。
「今日はこれで終わりなー。勝手に帰れよー」
それだけ行って、担任はまた去って行った。
流石にやる気なさ過ぎじゃね?
いいの?それっていいの??
「よし、んじゃ早目の学食行きますかー」
鋭貴の合図で、みんなで学食に向かった。
正確には、俺と竜は後を追って行っただけだが。
学食に入ると、これぞまさに王道って感じの空間が広がっていた。
いくつもある円卓。真っ白く綺麗なテーブルクロス。円卓の真ん中には、小さな花瓶に入ったブーケ達。多少少女趣味ではあるが、どこの三ツ星レストラン?と言いたくなる感じだった。
鋭貴は慣れたように一際オシャレな窓側のテラス席へと向かった。
「今日は天気も良いし、ここにしよ」
もちろん誰にも異論はなかった。
ウェイターらしき人が、メニューを持って来てくれる。
タッチパネル式とかじゃないのか!
「僕は紅茶。アールグレイで」
「俺は本日のオススメ洋食コース」
鋭貴と黒はメニューも見ずにそう応えた。
ちょ、待ってよ。まだメニュー見終わってもないよ。
「なぁ、スープカレーってある?」
「ございますよ。春野菜とチキンのスープカレーと、イベリコ豚の角煮のスープカレーがございますが、いかがいたしますか?」
「んー、イベリコ豚で。スープは辛めでよろしく」
「かしこまりました」
最初のコメントを投稿しよう!