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お前もか、ブルータス!!
誰かこいつらにメニュー表の意味を教えてやってくれ!!
俺1人メニュー表を見つめるこの沈黙が辛い。
「あ、このラム肉のステーキで、お願いします」
「かしこまりました。他にお飲み物のご注文などはよろしいでしょうか」
見つけたメニューで気になったものを頼んでみる。
ウェイターさんは俺達を見回した。
「あ、おれラッシー飲みたい!」
「俺は…別に構わない」
え、また俺だけ焦る番?
「つ、冷たい烏龍茶があればそれで!」
みんなのナチュラルさに着いて行けず、焦る俺。
つか、竜だって外部生のくせに!このこなれた感は何だ!?
「かしこましました。メニューをお下げしてもよろしいでしょうか」
にっこりと人の良さそうな顔でウェイターさんが笑う。
もう、こいつらにメニューなんて渡してやんなくて良いと思うよ。
去って行くウェイターさんの姿に俺は独りごちた。
「あ、そーいや鋭貴は紅茶だけで良いのか?」
竜の言葉にハッとする。焦り過ぎて気づかなかった。
「良いの。またランチタイムに来るから」
「え、それって面倒じゃね?」
竜が至極真っ当な疑問をぶつける。
「気にしなくて良いぜ、鋭貴の事は。蜜貴先輩と一緒に食いたいだけだろうから」
黒の口から新たな人物の名前が出てきた。
「兄さんと一緒に居ることが僕の幸せなの。気にしないでよね」
ブ、ブラコン頂きましたー!!!
どうやら蜜貴先輩とは鋭貴のお兄さんらしい。
なる程、それであの時親近感に満ちた目で見つめられたのか。
「へー、鋭貴って兄ちゃんいるのか」
「うん。あ、兄さんに手を出そうとしたらいくら友達でもぐちゃぐちゃに血祭りにあげて生きてきたことを後悔させるからそのつもりで」
その言葉に俺と竜は固まり、黒は深いため息をついた。
…鋭貴君はヤンデレでした。
不覚にも、予想外。
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