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取り敢えずさっきの発言は深く突っ込まない方向で、俺達は普通に食事を終えた。
つか、料理が美味すぎる。やはりここは三ツ星レストランだったのか…?
「僕は図書室で時間潰してくるけど、みんなはどうするの?」
俺達がガツガツと飯を食っている間、優雅に紅茶を飲んでいた鋭貴が問う。
「俺は寮に帰って、荷物の整理するかな」
パソコンとかまだ繋いでないし、本の整理もしなきゃ。あと、私服も片付けなきゃなー。
寮の部屋に荷物は届いているらしいし。
「俺は、風紀委員会のミーティングがあるから。鋭貴と一緒に時間潰してる」
…え?今何と?
「なんだよ、もう委員会とか決まってんの!?」
竜が俺の疑問を代弁してくれた。
「ああ、うちの学校は中学1年の時に入った委員会に、基本的に自動で永久所属なんだょね。素行不良とかで問題にならない限り、そのまんま持ち上がり」
鋭貴が説明してくれる。
何だ、そのシステム。不満の声は上がらないのだろうか。
「途中で変わりたいって人とか、出ないの?」
「小等部の頃に色んな委員会を経験して、中等部に入って選択をする。だから中1で真剣に吟味し、やり抜くことを前提に決めている。自分で決めた事を続ける大切さを身につける、という学園長の方針らしい」
おおぅ。とても真面目過ぎる答えが返ってきた。
とても腐な世界を堪能したいが為に入学したという俺には、想像もつかない程の教育方針だった。
「そっか。2人とも残んのかー。おれは取り敢えず寮内の探検するから、帰るかな!」
わぁ、同じくらい何も考えてない仲間がいたよ。
外部生同士、寮には早く慣れた方が良いもんな。うん。
「そ。じゃあまた後で」
「夕飯の時に会おうな」
そう言って、2人は食堂から去って行った。
取り残された、俺と竜。
2人の背中を見送り、俺は重大なミスに気がついた。
寮の場所ってどこだよ!?
時すでに遅し。もう2人の背中は見えなくなっていた。
ジーザス。
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