第1章

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タニアは赤い服を持っていた。 サルディスは、タニアの代理人の証しとして、タニアの赤い服を着ていた。 それを見た人が、 「まるで太陽のように赤いですね。」と、言った。 それで、太陽のように赤い色の服を着るサルディス、と、呼ばれるようになった。red Saldis そのうちに、色とか赤いとかいう言葉が抜けて、太陽のようなサルディスと呼ばれるようになった。 しばらく経って、タニアはサルディスに別れを切り出した。 サルディスは同意した。別れることに同意し抵抗しなかった。 代理人をやめることにも抵抗しなかった。 だが、赤い服を脱ぐことには抵抗した。 「頼む。この服をくれないか?、襟の形とか袖の形とか、いろいろと気に入っているんだ。」 「何言ってるのよ。だいたい、わたしはその服を一度も着てないんじゃない?」 「そう、だけど、手切れ金とか慰謝料として…」 タニアの服は、おそらく、体にまとうような服で、帯で留めるような服だった。 タニアは、サルディスが着ている服を剥ぎ取り、別れた。
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