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心臓が舌で舐められながら、ゆっくりと持ち上がるような。
そんな感覚に襲われた。
なんでかな、鎖骨から脳天までが熱くて仕方がない。
右向け右なんて言われもせず、自然と運ぶ足取り。
4つの足がバラバラに動きながら、同じ方向を行く。
このまま溶けてしまえば良いのに。
今日はなんだか、そういう気分でして。
ずんぐりむっくりな醜女と、見目麗しい美女が、互いの半径1m以内を歩いてる光景が、左にあるガラスに映った。
そのとき、心臓からゆっくりとポタポタと、血がフワリと溢れるような。
それが横隔膜の上で溜まって踊る、そんな感覚があった。
一つ一つ発される言葉に意味がこもってて、決して空白なんかじゃないものがそこにはあった。
それは、美女をどう思わせたのだろうか。
不安で仕方がない。
けれども、ここで立ち止まってるわけにも行かずと、押し殺される声が悲鳴をあげるようだった。
横隔膜を上から抑えられるような。
また声は、ポタポタと流れる。
あの子が笑えば、全世界の天気がその土地に合った気候に変わってくれる。
それだって、ずっと信じてた。
それと同じか解らないけどね、その美女が笑えば、怒りに似ても似つかない感情が込み上げてきて、笑顔にしてくれるの。
これからも、最後まで笑っててほしい。
泣くなら、私の前で泣いてほしい。
また一つ、想いが募った。
「あなたを愛してる」、言葉にできるまで、時間をください。
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