愛哀

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性別を理由にするのはもうやめだ。 私がこうしてたらいけないと、また余所行きスタイルになるの。 もっと悩んでる子だっている、辛くて辛くて苦しみもがいてる子がそこにいるの。 愛してる、哀れんでる、そんな子の頬を撫でると、私の頬も撫でてきた。 それは誰かの涙で。 この涙を見せないようにしてきた。 笑顔でおちゃらけて、「えーダルいー」「面倒いー」「良いじゃん別に」「あはは、うふふ」。 もうバレてるんならさ、もう見られたんならさ。 どうでもいいや。 この子の背中を押せる人は私なんかじゃない、あなただけだから。 そう軽く言い訳して、目の前から消えた。 愛してる、哀してる。 それは、自分なんだよ。
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