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「ステュー、起きんね!」
朝の静寂を引き裂く母親の怒号が家中に響き渡る。
「…何ね母ちゃん?買い物は夕方以降にしてくれよ…朝から行ったら補導されるったい…」
俺は布団を頭から被って二度寝を開始。しかし、母が部屋に突入してきた。
「何ばしよんね母ちゃん!?」
「学校から連絡があったと。あんたの無実を証明してくれる人がいたったい!」
俺は今訳あって無期限停学中だ。しばらく学校に行っていない。
「そげん?」
「今日から学校いけるとよ!」
唐突すぎる。
「明日から頑張る。」
俺は枕を折り畳んでそれに頭を乗せてまた寝転んだ。
「今日行け!」
母の吸血鬼特有(?)の馬鹿力でベッドから勢い良く引きずりおろさせた。
「あふんっ!?」
「あんた夜の空手道場以外ほとんど外出しとらんかったやろうもん!せっかく停学から解放されたんじゃけん早よぉ行かんね!」
俺を15年間育ててくれた母の苦労で太くなった足で俺は部屋から吹っ飛ばされた。
「やめてくださいお母様そんな太い足で蹴られたら死んでしまいますw」
「空手二段が何ば言いよっと!?はよ行け!」
シャワーを浴びながら歯を磨き、着替えながら朝食を食べ、先に出勤した父の電動シェーバーで髭を剃り、俺は久し振りに登校した。
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