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しかし、本当は父の両親はこの墓には眠ってはいない。
昔は良くあった様だが、(今もある)再婚者同士の再婚。そういう事だ。
妻が亡くなり身の回りに困る、丁度良いのがいるから…どうか、という所だろう。
だから、今、二人は「嬉野」の皿町の丘の上で静かに眠っている。
夕景が美しく、車が一台通れるかという道沿いの住宅の並ぶ反対、丘側に素焼きの皿が網の置かれた台の上、太陽を浴びている。
そんなのどかな場所。
写真で見たのは、洋館が背後に横には和式の建物。
その前で、15名ほどの老若男女が写っているもの。
まだ子供だった父は長男だが、姉は子供らしいオカッパ頭に大きな瞳、ベルベットにも見えるワンピース姿。弟は姉と同じ様な風貌で愛らしい「一休さん」顔、詰襟の学生服、父だけが和服だった。それも、丁稚奉公の様な。
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