第1章

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「今月、授業料を映画を観るのに使ってしまった。姉に金の無心を頼むか…」 そう、授業料の使い込みもちゃんと書いてある。 お金に不自由しなかった人ほどそうなのではないかと思う。ボンだ。しかも、証拠を残す。 この日記は父が亡くなる迄は私が持っていた。 が、父の葬儀の時に 「姉は田村さん(夫となった人)と結婚するのだろうか?」 と書いてあるのや、上記の金の無心の下りを懐かしがるだろう伯母に見せたくて持参した。 本当は日記中にあった 「「明星」「平凡」に送り…金にせん!」 の様な走書きがあり、小説家でも夢見ていたのか?と、伯母や叔父に見せたら、あの世で続きでも書いて貰おうかと棺に一緒に入れるつもりだった。
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