退屈しのぎ

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「退屈じゃー!わしゃあ退屈なんじゃー!」 とある場所の一室で、一人の爺さんが暴れている。それを「またか」と言った様子の男女が冷ややかな眼差しでその爺さんをみていると、その様子に気付いた爺さんは更に癇癪をおこして地団駄を踏みだした 「何じゃ?その目は!創造主たるわしに向ける目じゃないじゃろがー!もういいもん!わし、拗ねるもんねー!天変地異起こしちゃる!」 ぷいっと、そっぽを向いて爺さんはご立腹のご様子。この爺さん、言わずもがな神様である。こんな爺さんが神様だとはそばの男女...大天使達の苦労がしのばれる さすがに癇癪で大量の死者を出す天変地異をおこされては仕事が増えてたまったもんじゃない!とそばにいた大天使達が宥めにかかる 「神様、そうやってこの間も癇癪をおこして一つの世界を壊したでしょう。それで創造神様に怒られたのをもうお忘れですか?また怒られて閉じ込められちゃいますよ?」 「そうですよ神様。退屈なら新しい世界でも作りませんか?最近、神様達の間で下界の者にダンジョンを作らせるのが流行っているみたいですよ?」 と二人の大天使に宥められ、ちょっと気分が浮上してきた神様。ダンジョンにも興味がひかれたのか視線を二人に戻すと、ここぞとばかりに二人の大天使は諭す。 「100年に一度優秀なダンジョンを決める大会なんてのもあるらしいですよ?素晴らしいダンジョンを作らせて他の神様達に自慢したくありませんか?」 「いいですね!規模を競う種目や難易度を競う種目、何時までも眺めていたい箱庭の様な癒しの種目、モンスターの種類を競う種目などがあるみたいです!他の神様達に私達の神様がいかに素晴らしい能力をお持ちか知らしめる良い機会です!」 などなど、大天使達がよいしょしたかいがあり、神様も退屈しのぎのダンジョンを作ることにした。
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