エピローグ

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□□□ カサカサと木々が揺れ、空が陰る。黒い雲に覆われた空からポツポツと雨が降り出し、広大な大地を濡らした。 それでも抱き合っている二人を、木陰から鋭い眼差しが捕らえた…。 まるで獲物を狙う獣のように。茶色い髪が風に靡いている。 「随分捜したぜ。俺から逃げれると思うなよ」 男は手にしていた煙草を一服すると、中指で二つに折り足下に投げ捨てた。 まだ煙のたち上がる煙草が雨に打たれ、悲鳴のごとくジュッと音を鳴らした。 男は執念深くその煙草を右足で捻り潰す。 まるで… 二人の幸せを絶ち切るように。 男は口角を引き上げ、不敵な笑みを浮かべた。 歪んだ愛の矛先にいたのは…。 「奈穂子は俺のオンナだ。お前には渡さねぇよ」 木の枝で、どす黒い蜘蛛が… 新たな糸を放った。 ~The end~
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