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なおも笑いだしたいのを、必死で堪えて、少年は応えた。
無理に抑えた為に、喉がくくっと鳴ってしまったのは、まぁご愛嬌と云うものだろう。
「わるい、わるい。なんだかツボにはまっちゃったみたいでさ」
謝罪の意味を込め、片手を少し上げながら、少年は茶目っ気たっぷりにウィンクした。
男のくせに、そんな仕草がはまり過ぎる位はまってしまうのは、彼の少女と見紛うばかりの美貌による処が大きい。
「お詫びにさっきの500円は無しって事で。代わりに今度会ったら、ジュースでも奢ってよ」
悪びれずに、そう懇願する少年に、反射的に朱莉は突っ込みを入れる。
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