第1話 出会い

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 あー、ようやく合点のいった朱莉は、自分の手と拳を打ち鳴らそうとして、はたっと我に返った。 「なんで私が、お前にやらんといかんのだっ」  言葉の端に、怒気が多少混ざってしまうのは、しょうがないというものだろう。  何か芸でもした訳でもあるまいし、他人にお金をせびるなんて、お前は何様なんだぁ。  まっそりゃ、多少なりとも見惚れてはいたが……だとしてもだっ。  礼儀知らずのこいつをいさめなくては、と、朱莉はきっと、顔を上げて少年を怒鳴った。 「おい、おまえ」  しかし少年は気分を害すどころか、可笑しくてたまらないとばかりに、いきなり笑い始めた。
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